AWSに関する認定資格(2024年4月度版)

AWS認定資格は、Amazon Web Services (AWS) の専門知識とスキルを証明する資格です。

個人のAWS知識の整理に役立つのはもちろん、企業のパートナーランクの昇格条件にも指定されており(パートナーランクの詳細はこちら)、資格を取得することで市場での競争力を高めることが可能です。2023年2月現在で12種類の資格が存在しており、エンジニアだけではなく、非エンジニアの方も取得可能なレベルの資格もあります。

この記事では、AWS認定について解説していきますので、取得を検討している方はご参考にしてみてください。

AWS認定の難易度は大きくわけると4つに分類が可能です。各難易度の中で、いくつかの分野にわかれています。

基礎レベル

AWS各種サービスのメンテナンスに関する通知が送られてきます。代表的なものは、基盤ハードウェアリタイアに伴うサーバー再起動通知です。

  • CLF:Cloud Practitioner・・・アーキテクト・開発・運用を幅広く網羅

が用意されています。俗にいう、クラウドプラクティショナーといわれている資格です。AWSの公式サイトでは、次のように説明されています。

AWS クラウドの知識とスキルを身に付け、全体的な理解を効果的に説明できる個人が対象です。その他の AWS 認定で扱われる特定の技術的役割からは独立しています。
参考:https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-cloud-practitioner/

AWSとはどのようなものか?基本的なアーキテクチャや価値提案、一般的なユースケースについての知識が求められます。

詳細は技術的要素かはら独立しているので、非エンジニア層でも取得しやすい資格となっています。

ディーネットでも、営業職や管理部門の非エンジニアメンバーには「基礎」および「アソシエイト」レベルの資格取得を推奨しています。

クラウドプラクティショナーについて:https://denet.ad.jp/cloudpress/clf/

アソシエイトレベル

アソシエイトレベルの資格としては

  • SAA:Solutions Architect・・・アーキテクト分野
  • SOA:SysOps Administrator・・・運用分野
  • DVA:Developer・・・開発分野
  • DEA:Data Engineer・・・データ活用の専門知識

の4つの資格があります。

「Data Engineer」は、データ活用の専門知識に対する需要の高まりを受けて、2024年3月から新設されました。

対象としては、1年以上の具体的な実務経験を伴った担当者が想定されています。そのため、AWSの具体的な技術要素やベストプラクティスについての知識が必要です。実際にAWSを触ってみないと解きにくい問題も多くなります。

そのようなことから、エンジニア向けの資格といえます。ディーネットでも新人エンジニアを筆頭に、「アソシエイト」レベル以上の資格取得を推奨しています。また、営業職の人でもハードルは高くなりますが、頑張ればなんとか取得できるレベルの資格となります。

プロフェッショナルレベル

プロフェッショナルレベルの資格としては

  • SAP:Solutions Architect・・・アーキテクト分野
  • DOP:DevOps Engineer・・・開発・運用分野

の2種類あります。アソシエイトでは、「SysOps」と「Developer」がわかれていましたが、プロフェッショナルでは統合されています。

対象としては、2年以上の実務経験を持つ担当者が想定されています。アソシエイトレベルまでは、「できる」「できない」を問われる内容が多いのですが、プロフェッショナルでは「どれが最も良い方法か?」という部分を問われるようになってきます。AWSのサービス理解はもちろんですが、長文の問題内容を理解し何を問われているかをイメージする力が必要です。

専門知識レベル

専門知識レベルの資格としては

  • ANS:Advanced Networking・・・ネットワーク
  • SCS:Security・・・セキュリティ
  • MLS:Machine Learning・・・機械学習

の3種類が用意されています。

過去には「Alexa SkillBuilder」というものもありましたが、2021年3月23日に廃止されています。また、2024年4月には次の3つも廃止となっています。

  • DBS:Database・・・データベース
  • DAS:Data Analytics・・・データ解析
  • PAS:SAP on AWS・・・AWS上でのSAP利用

専門知識レベルでは、文字通り専門的な一部分に絞った知識を対象とした内容となっています。AWS上のアプリケーション開発やデプロイ、運用などに必要な専門知識を検証することを目的としています。知識の深さとしては、各分野でプロフェッショナルレベル相当のものが必要です。

AWSの認定資格は、AWS関連のキャリアアップや、AWS上でのアプリケーションの開発や運用に向いた専門知識を持っていることを証明することができる重要な資格です。また、AWS認定資格は、顧客や雇用者から信頼を得られることが期待されます。さらに、AWS認定資格を取得することで、AWSサービスやソリューションに対する知識を深め、そのスキルを実践的な観点から磨くことができます。これにより、AWS上でのアプリケーションの開発や運用に対する能力が向上することが期待されます。

専門知識の証明

AWS認定資格は、AWS上でのアプリケーションの開発、デプロイ、運用などに必要な専門知識を持っていることを証明することができます。取得した資格を提示することで、顧客や雇用者に対して、一定レベル以上の知識を保持していることを示すことが可能です。

キャリアアップ

AWS認定資格を持つことで、AWS関連のキャリアアップが有利になることがあります。AWS認定資格は、AWS上での仕事に親和性が高いという証明となり、雇用者にとっては魅力的な人材となります。特にプロフェッショナルレベル以上の資格を持っていると好印象です。

また、12冠全てを取得したエンジニアをAWSが表彰する「AWS ALL Certifications Engineers」という制度もあります。2022年は340名ほどが選出されており、市場価値を高める大きなポイントにもなっています。

AWSサービスの理解

資格取得のためには、AWSサービスに関連する専門知識を学習することが必要です。普段の業務でAWSに触れている人でも、以外と特定分野の操作しかしていないものです。資格取得の学習をすることで、業務外の知識の保管ができ、全体的なスキルの底上げが期待できます。

技術的な更新

AWS認定資格は3年の更新期限があります。定期的に新サービスをリリースしており、AWS認定資格自体もアップデートされ続けており、資格を保有し続けることで、最新の技術にアップデートすることが可能です。

申し込みはAWS認定のアカウントを作成する必要があります。WEB上から受けたい試験の申込に必要な情報を入力し、試験の予約と支払いを行います。

試験は試験会場またはオンラインで受験可能です。試験結果は試験終了後即時に画面に出力され、数日後に合格点等の詳細情報とともに、メールで正式通知されます。

AWS認定の受験料は次の通りです。2024年4月1日から、料金が改訂されているのでご注意ください。

  • 基礎レベル:15,000円
  • アソシエイトレベル:20,000円
  • プロフェッショナルレベル:40,000円
  • 専門知識:40,000円

タイミングによっては、再受験無料キャンペーン等やっていることがあるので、受験前に調べておくと良いかもしれません。

資格取得のために、AWSを勉強する方法は、「ホワイトペーパー」「BlackBelt」「実践」「書籍」「WEBの学習サイト」などがあります。

おすすめは、AWS公式の「ホワイトペーパー」や「BlackBelt」シリーズです。いずれも網羅性が高く、多くの資料が日本語対応しているので、必ず押さえておきましょう。

AWSでは個人で利用できる無料枠があります。資料ではイメージがつきにくいことも、実際に触ってみると簡単にわかることが多くあります。積極的に触ってみるとよいでしょう。

「書籍」や「学習サイト」などは、上記で網羅できない情報を補完する役割として使うと良いと思います。AWSはサービスのエンハンススピードが速いため、半年前の情報はすでに古い情報ということが良くあります。可能な限り最新のものを利用しましょう。

また、公式の模擬試験を受けることができるので、問題のクセをつかむためにも早めに受けておくことをお勧めします。

この記事では、AWS認定資格について解説しました。

AWSの全体像を俯瞰してみたり、普段使っていないサービスを利用するチャンスでもあるので、積極的にスキルアップのために活用していただければと思います。