セキュリティ対策
【CentOS7のEOL】サポート終了の影響と対策
CentOSなどのLinux系のOSを利用する上で、避けては通れないのが「EOL(End Of Life)」対応です。
現在、CentOSの中で最も多く利用されているであろう「CentOS Linux 7」は2024年06月にサポートが終了すると発表されています。後継となる「CentOS Linux 8」は、突然のサポート終了となっており、サポート終了後の代替OSについて悩んでいる企業も多いのではないでしょうか?
この記事では、Linux系OSのEOL日時、EOLを迎えるとどうなるか?実施すべき対応策について紹介していきます。
CentOS7はいつ終了?Linux系OSのEOL(サポート期限)一覧
まずはじめに、Linux系OSの各ディストリビューションのEOLをまとめてみました。RHEL以外は無料で使える無償OSとなっています。
OS | バージョン | サポート期限 |
---|---|---|
CentOS | CentOS 6 | 2020年11月30日 |
CentOS 7 | 2024年06月30日 | |
CentOS 8 ※2021年に開発を終了し、CentOS Stream 8の開発へと移行されました |
2021年12月31日 | |
Red Hat Enterprise Linux(RHEL) ※有償OS |
RHEL 6 | 2024年06月30日(延長サポート) |
RHEL 7 | 2024年06月30日 | |
RHEL 8 | 2029年05月 | |
Amazon Linux | Amazon Linux | 2023年06月30日 |
Amazon Linux 2 | 2025年06月30日 | |
Amazon Linux 2023 ※5年サポート、2年サイクルでメジャーバージョンがリリースがされます |
2028年 | |
AlmaLinux | AlmaLinux 8 | 2029年 |
AlmaLinux 9 | 2032年 | |
Rocky Linux | Rocky Linux8 | 2029年 |
Rocky Linux 9 | 2032年 |
※2023年5月18日現在
EOLとは何か?サポート終了後の影響は?
EOLとは、「End Of Life」の略で、提供元のサポート終了期限を表しています。
まずは、提供元のサポートと、サポートが無くなった場合の影響についてみていきましょう。
提供元のサポート内容は?
Linuxディストリビューション(Linux OSの各種類やバージョン)に関連するさまざまなサービスやリソースを提供することで、安全、安心な環境を提供します。具体的には次のような要素を含みます。

- セキュリティアップデート:
ディストリビューションが提供する、ソフトウェアのセキュリティパッチや修正プログラムを定期的にリリースすることで、システムを安全に保ちます。 - バグ修正:
ソフトウェアに存在する問題やエラーを修正し、パフォーマンスや安定性を向上させます。 - 新機能の追加:
ディストリビューションに新しい機能や改善された機能を追加することで、ユーザー体験を向上させます。 - ドキュメントやマニュアルの提供:
ディストリビューションの使用方法やトラブルシューティングに関する情報を提供し、ユーザーが問題に対処しやすくなります。 - コミュニティや専門家によるサポート:
オンラインフォーラム、メーリングリスト、チャットルームなどを通じて、ユーザー間の協力や専門家による助言を提供します。
EOLを迎えるとどうなる?そのリスクは?
ディストリビューションのサポート期間が終了(EOL)すると、これらのサポートを受けることが出来なくなり、次のようなリスクを抱えることになります。

- セキュリティリスク:
EOLを迎えたOSでは、新たなセキュリティアップデートやパッチが提供されなくなります。これにより、システムが脆弱性にさらされ、ウイルスやハッカーによる攻撃を受けやすくなります。 - バグ修正の欠如:
EOLを迎えたOSでは、ソフトウェアのバグや問題が修正されなくなります。これにより、システムのパフォーマンスや安定性が低下し、予期しない問題が発生する可能性があります。 - ソフトウェアの互換性問題:
EOLを迎えたOSに対応していない新しいソフトウェアやアプリケーションが登場すると、それらを利用できなくなります。また、既存のソフトウェアがアップデートされた場合にも互換性が失われることがあります。 - サポートの不足:
EOLを迎えたOSでは、公式ドキュメントやマニュアルが更新されなくなり、コミュニティや専門家からのサポートも得られなくなることがあります。これにより、問題解決が困難になる場合があります。
これらのリスクを避けるために、EOLを迎えたOSから、サポートされている最新のディストリビューションにアップグレードすることが強く推奨されます。アップグレードによって、セキュリティ、パフォーマンス、互換性、そしてサポートの面で最新の状態を維持することができます。
EOLの対応策について
EOLの対応策を選択する際は、自分のニーズやリソースを考慮し、最適な方法を選ぶことが大切です。セキュリティリスクを最小限に抑えるためにも、できるだけ早く、最低でも2か月程度の時間的余裕を見て実行することが推奨されます。
まず初めに行うべきは、現状環境の確認です。EOL対象のOSがあるか?ある場合は何環境くらいあるか?その環境を維持管理できる体制が整っているか?という部分が重要です。体制が整っていない場合は、外部にアウトソースすることも検討が必要になります。
具体的に検討が可能なEOL対策は4つあります。
- 1.OSのアップグレード
- 2.リプレイス
- 3.有償の延長サポートを契約
- 4.有償のセキュリティツール導入
まず検討すべきは、サポート期間内のOSへ変更することです。「1.OSのアップグレード」「2.リプレイス」がそれにあたります。特別な理由がない限り、どちらかの対策を検討しましょう。
何かしらの理由で対応が難しい場合は、可能な限りリスクを減らして使い続ける選択肢もあります。それが、「3.有償の延長サポートを契約」「4.有償のセキュリティツール導入」です。
各対策の詳細についてはCentOS 7のEOL対策 完全ガイドへまとめているので参考にしてください。
自社で対応が難しい、直接相談してみたい方は、お問い合わせフォームよりご連絡お待ちしております。
まとめ
この記事では、CentOSをはじめとするLinux系OSのEOL(End of Life)とそれに伴うリスク、対応策について説明しました。EOLを迎えたOSの使用は、セキュリティリスクの増加、バグの未修正、ソフトウェアの互換性問題、サポートの不足など、多くの問題を引き起こします。
対応策としては、サポートが続く別のディストリビューションへの移行やOSのアップグレードなどが必要です。
対応が難しい場合は、有料のサポート延長オプションの利用やセキュリティ対策製品を利用することで、一時的にセキュリティリスクを軽減することも可能です。しかし、これらの対策はあくまで一時的なもので、最終的にはサポートが続くOSに移行することが不可欠です。
Linux OSを利用する場合は、EOLとそれに伴うリスクを理解し、適切な対策を講じることが、安全かつ効率的なシステム運用のための重要なステップとなります。常にシステムの状態を確認し、適時に対策を行うことを忘れないようにしましょう。