Dify入門1:Difyとは?AI活用を加速するノーコード開発ツールを徹底解説!

「社内でAIを活用して業務効率を上げたいけれど、専門知識を持つ人材がいない…」 「AIチャットボットや業務自動化ツールを作りたいけど、開発コストや時間が心配…」

このようなお悩みを持つ中堅中小企業の担当者の方も多いのではないでしょうか。近年、AI技術は目覚ましい進化を遂げていますが、その導入には専門的な知識やスキルが必要とされることが一般的でした。

しかし、今回ご紹介する「Dify(ディファイ)」は、そのようなハードルを大きく下げる画期的なツールです。Difyを使えば、プログラミングの知識がなくても、まるでブロックを組み合わせるように、誰でも簡単にAIを活用したアプリケーション(AIアプリ)を開発できます 。  

この記事では、Difyとは何か、その特徴やメリット、具体的な活用例、そして導入方法まで、AI活用を検討されている担当者の方に向けて分かりやすく解説します。

Difyとは?社内のAI活用を加速するノーコード開発プラットフォーム

Difyは、大規模言語モデル(LLM)を活用したAIアプリを開発するためのオープンソースプラットフォームです 。オープンソースとは、ソフトウェアの設計図(ソースコード)が公開されており、誰でも自由に利用、改変、再配布できることを意味します 。  

Difyの最大の特徴は、プログラミングの知識がなくても、直感的な操作でAIアプリケーションを開発できる点にあります 。これにより、エンジニアだけでなく、企画担当者や現場の担当者など、社内の様々な立場の人がAIアプリ開発に参加できるようになります 。  

ちなみに、「Dify」という名前は、「Define(定義する)」と「Modify(修正する)」という言葉に由来しており、AIアプリを定義し、継続的に改善していくという思想が込められています 。  

Difyの主な特徴:なぜ中堅中小企業におすすめなのか?

Difyが中堅中小企業のAI活用におすすめな理由は、その多機能性と使いやすさにあります。主な特徴を見ていきましょう。

直感的なインターフェース(ノーコード/ローコード開発)

Difyは、プログラミングコードを書かずに、画面上でブロックをドラッグ&ドロップするような視覚的な操作でAIアプリを開発できます 。複雑な処理の流れ(ワークフロー)も分かりやすく設計できるため、専門知識がない方でも安心して利用を開始できます 。インターフェースは日本語にも完全対応しています 。  

多様なAIモデルに対応

Difyは、OpenAI社のGPTシリーズ、Anthropic社のClaudeシリーズ、Google社のGeminiシリーズといった主要な商用AIモデルから、Llamaなどのオープンソースモデルまで、数百種類ものAIモデルに対応しています 。これにより、自社のニーズや予算に合わせて最適なAIモデルを選択し、柔軟に連携させることが可能です 。  

RAGエンジン搭載:社内データをAIに活用

DifyにはRAG(Retrieval-Augmented Generation)という技術が組み込まれています 。これは、AIが元々持っている知識に加えて、アップロードした社内ドキュメント(マニュアル、FAQ、報告書など)やWebサイトの情報を参照して回答を生成する技術です 。これにより、「AIが自社のことを知らない」「情報が古い」といった問題を解決し、より正確で自社の状況に合った回答をするAIアプリを作成できます 。  

豊富なテンプレートと外部ツール連携

Difyには、チャットボットや要約ツールなど、よく使われるAIアプリのテンプレートが豊富に用意されています 。テンプレートを使えば、数クリックで基本的なアプリを作成し、そこからカスタマイズしていくことが可能です 。また、Google検索、Slack、Gmailといった外部のツールやサービスと簡単に連携させることもできます 。

オープンソースと柔軟なデプロイ

Difyはオープンソースであるため、基本的な機能は無料で利用を開始できます 。また、Difyが提供するクラウドサービス(Dify Cloud)だけでなく、自社のサーバー(オンプレミス)やAWSなどのクラウド環境に自由に設置(セルフホスティング)することも可能です 。これにより、データの管理やセキュリティを自社でコントロールしたいというニーズにも応えられます 。  

Difyでできること:具体的な活用例

Difyを使えば、アイデア次第で様々なAIアプリを作成できます。中堅中小企業での具体的な活用例を見てみましょう。

  • 社内向けチャットボット:
    • FAQ対応: 社内規定や手続きに関する質問に自動で回答し、総務や人事部門の負担を軽減 。  
    • 情報検索: 大量の社内ドキュメントから必要な情報を素早く見つけ出す 。  
    • 新人研修: 新入社員向けの教育コンテンツを提供し、オンボーディングをサポート 。  
  • 業務効率化ツール:
    • テキスト生成: ブログ記事、メールの文面、報告書などの下書きを自動生成 。  
    • Webページ要約: 長いWebページの内容を短時間で把握 。  
    • データ分析補助: 大量のテキストデータから傾向を分析したり、要点を抽出したりする 。  
  • AIエージェント:
    • タスク自動化: 定型的な作業(情報収集、データ入力など)をAIに任せる 。  
    • リサーチ支援: 特定のテーマに関する情報をWeb上から収集・整理する 。  
  • その他:
    • 音声アプリ: 会議の音声をリアルタイムで文字起こしし、議事録作成を支援 。  
    • 画像生成アプリ: 広告バナーや資料に使う画像を簡単に作成 。  

ディーネットも全社的にDifyの利用をしています。社内事例はこちらを参考にしてください。

Difyの始め方:簡単3ステップ

Difyを始めるのは非常に簡単です。

  1. アカウント作成: Difyの公式サイト (https://dify.ai/jp) にアクセスし、お持ちのGitHubアカウントまたはGoogleアカウントでログインします 。  
  2. 利用環境の選択:
    • ブラウザ版 (Dify Cloud): セットアップ不要ですぐに利用を開始できます 。無料プランもあります 。  
    • ローカル/サーバー版 (セルフホスティング): Dockerなどのツールを使って、自社のPCやサーバー、AWSなどのクラウド環境にDifyをインストールします 。より詳細な設定や管理が可能です。  
  3. アプリ作成: Difyの管理画面から「アプリを作成」を選択します。作りたいアプリの種類(チャットボット、ワークフローなど)を選び、テンプレートを利用するか、ゼロから作成を開始します 。  

Difyの料金プラン

Difyには、利用規模や目的に合わせて複数のプランが用意されています。

ブラウザ版 (Dify Cloud)

  • サンドボックス (無料):
    • 個人での試用や小規模なプロジェクトに最適です 。  
    • 基本的な機能は利用できますが、メッセージ回数などに制限があります 。  
  • プロフェッショナル / チーム (有料):
    • ビジネスでの本格的な利用やチームでの共同開発に適しています 。  
    • 無料プランよりも多くの機能やサポートが利用可能です。
  • エンタープライズ (有料):
    • 大規模な組織向けのプランで、高度な管理機能や専用サポートが提供されます 。  

ローカル/サーバー版 (セルフホスティング)

  • オープンソース(無料)
    • メンバー数やアプリ数など制限なく利用が可能です。
    • Dockerなどのツールを使って、自社のPCやサーバー、AWSなどのクラウド環境にDifyをインストールするため、インストール環境の費用が発生します。
  • AWS Marketplace:
    • AWSを利用している企業向けに、Dify Premium (AMI)Dify Enterprise (SaaS) といった形で提供されています 。AWS環境への導入が容易になります。  

Dify利用時の注意点

Difyを導入・活用する上で、いくつか注意しておきたい点があります。

無料プランの制限:

サンドボックスプランは無料で試せますが、メッセージのやり取り回数や作成できるアプリ数、チームメンバー数などに制限があります 。本格的な利用には有料プランへの移行を検討しましょう。  

セキュリティ対策:

特に自社サーバーやクラウド環境にDifyを設置(セルフホスティング)する場合、APIキーの管理やアクセス制御など、セキュリティ対策は自社で行う必要があります 。  

商用利用の条件:

Difyはオープンソースですが、Difyを利用してSaaS(Software as a Service)のようなサービスを他社に提供する場合など、特定の条件下では商用ライセンスが必要になる場合があります 。詳細は公式サイトで確認しましょう。  

まとめ:Difyで社内AI活用を始めよう!

Difyは、プログラミングの知識がなくても、直感的かつ簡単に高機能なAIアプリケーションを開発できる画期的なプラットフォームです 。  

  • 専門知識不要: ノーコード/ローコードで開発可能
  • 高機能: RAGによる社内データ活用、多様なAIモデル連携、外部ツール連携
  • 柔軟性: 無料から始められ、クラウドでも自社環境でも利用可能

これらの特徴により、Difyは中堅中小企業がAI活用の第一歩を踏み出すための強力なツールとなり得ます。社内の問い合わせ対応自動化、定型業務の効率化、新しいサービスの開発など、様々な可能性を秘めています。

まずは無料プランから、Difyを使ったAIアプリ開発を試してみてはいかがでしょうか。

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